大腸カメラ
Colon
大腸カメラ
Colon
Symptoms
Feature
大腸内視鏡検査は、腸管洗浄液(下剤)によって腸内をきれいにする必要があります。この下剤による前処置が、大腸内視鏡が大変といわれる要因の一つにもなっています。当院では少しでも楽な環境、楽な方法で前処置を行っていただけるように工夫をしています。
・一般的に腸管洗浄は、検査当日に2リットルもの下剤を服用していただく必要がありますが、当院では、半分程度で高い洗浄効果が得られる新しい下剤(モビプレップ)を採用しています。その分、飲む量に対する負担が軽減します。
・前処置の下剤を服用いただく場所につきましては、患者さんのご希望や環境に合わせて、在宅でも、ご来院しての服用でも、どちらにも対応いたします(ご自宅で飲んでいただく場合は、午後に検査を受けていただきます)。
鎮静剤(静脈麻酔)にて眠ったまま検査を受けることも可能です。鎮静剤を用いた内視鏡検査の大きな目的は「不安」や「苦痛」の軽減です。大腸内視鏡検査では腸の中に空気を入れるためお腹の張りや吐き気などで苦しんでしまう方もいらっしゃいますが、鎮静剤を使用することで、そのような症状が緩和できます。鎮静の程度を調整することも可能で、検査に対して不安や恐怖心が強い方は「ぐっすりと眠った状態」に、検査画面を一緒に見たいという方は「苦痛を取り除く程度の状態」に、というように患者さんの状態やご希望に合わせて検査を行うことができます。
鎮静剤の使用は検査を実施する内視鏡医にとってもメリットがあります。大腸内視鏡検査では、緊張してお腹に力が入ることで痛みが生じやすく、蠕動運動で腸も動いてしまうため、内視鏡が奥に進みにくくなることがあります。鎮静剤の使用により、身体の力が抜けリラックスした状態になることで、内視鏡の挿入や大腸の観察自体をスムーズに行うことができるため、検査の質の向上につながります。
〈鎮静剤が強く推奨される方〉
・大腸内視鏡検査を初めて受ける方
・大腸内視鏡検査に不安や恐怖心を強く持たれている方
・以前受けた大腸内視鏡検査で、強い痛みや苦痛を経験された方
・腹部の手術をされたことがある方(腸が癒着している可能性があり、強い痛みを生じることがあります)
検査終了後は、鎮静剤の効果が切れるまでリカバリールームでしばらく休憩していただくため、安心してご帰宅できます(鎮静剤を使用した場合、自動車、バイク、自転車などの運転はできませんのでご注意ください)。
大腸内視鏡検査は技術(手技)の差が出やすい検査といえます。大腸の粘膜には痛覚がなく、内視鏡が入るだけでは痛みを感じません。しかし内視鏡挿入時に、無理に押したりすると、腸管が引っぱられることで周辺の筋肉などの神経が刺激を受け、痛みが生じます。当院では、腸管にとってストレスが少ない、腸を押さずそのままの形を維持しながら挿入する軸保持短縮法にて検査を行っています。これにより検査時の苦痛を最小限に抑えることが期待できます。
大腸内視鏡検査では、通常、ペタンとした状態にある大腸内を、病変の見落としがないように空気を送りいっぱいに広げて隅々まで観察します。その際の空気がお腹の張り感や痛み、吐き気などの原因になることがあります。いつまでも腸内に空気が残ってしまい検査後にそうした症状が現れることもあります。
当院では、このような検査後のお腹の張りによる苦痛を軽減するため、空気に比べて腸管内で速やかに吸収される(空気のおよそ200倍)炭酸ガスを用いて検査を行っています。これにより検査後の苦痛を大幅に軽減することが可能となります。
※炭酸ガスは体内に吸収されても身体に害を及ぼすものではありません
検査中に大腸がんのもととなるポリープを発見した場合、精度の高い診断を行いながら必要に応じてその場で切除します。腫瘍性ポリープには良性の大腸腺腫と悪性の大腸がんがあり、大腸腺腫は大きくなるほどがん化率が高まると考えられています。つまり、発がんリスクのあるポリープを早めに切除することが大腸がんの予防につながります。また、大きければそれだけ切除が難しくなるため、10ミリ以下の小さいうちに切除したほうが安全性も確保できます。20ミリを超える大きなポリープや切除後の出血リスクが高い場合は、連携先の病院やご希望の病院に紹介させていただき、入院でのポリープ切除を行うこともあります。
大腸ポリープを検査時にその場で切除することで、何度も下剤を飲んだり、検査を受けたりする必要がなくなり、患者さんの負担も軽減します。
使用する内視鏡や処置具は、日本消化器内視鏡学会が定めているガイドラインに準拠した消毒衛生管理を実施しておりますので、安心して検査を受けていただけます。
Disease discovered
大腸ポリープの多くは無症状ですが、健康診断での便潜血反応で陽性になることが少なくありません。発症原因としては、遺伝的なものが多く、そのほかに食生活の欧米化なども考えられています。大腸ポリープの全てが大腸がんに移行するわけではありませんが、そのリスクを診断するために大腸内視鏡検査を行う必要があります。定期的に大腸内視鏡検査を行うことでポリープの早期発見が可能となり、低侵襲な内視鏡治療が選択できます。10ミリ程度までの大腸ポリープであれば、日帰り切除を行うことができます。
平均寿命の高齢化に加え、食生活の欧米化など様々な要因もあり、大腸がんによる死亡者数は増加傾向にあります。大腸がんは症状を自覚することが難しく、気付かないうちに進行します。症状が出てから診断に至った場合には、内視鏡治療などの低侵襲な治療が選択できないことがあります。下痢や便秘などの排便異常、血便がみられる方や便潜血反応陽性の際は、定期的な大腸内視鏡検査をお勧めします。
遺伝的要素も考えられていますが、明確な原因は不明です。全身のあらゆる消化管に、浮腫や潰瘍を形成し症状を引き起こします。腹痛と下痢が高頻度にみられますが、発熱、栄養障害、血便、肛門病変(痔ろうなど)が現れることもあります。難病に指定されていますが、適切な治療で症状を抑制できれば健康な人と変わらない日常生活を送ることが可能です。大腸内視鏡やCT検査などにより、病状の進行状況を判定しながら治療を行います。
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜を中心にびらんや潰瘍を形成します。症状としては下痢や血便、腹痛、しぶり腹(便意があっても便が出ない、出ても少量)、重症化すると発熱、体重減少、貧血などがみられることもあります。難病に指定されており明確な原因は分かっていませんが、適切な治療により症状を抑制できれば、健康な人とほとんど変わらない日常生活を送ることが可能です。定期的な大腸内視鏡検査が必要となります。
Flow
【自宅で洗腸剤を飲む場合】
*事前診察で指定された手順で、自宅で洗腸剤を飲んで頂きます。
*来院されたら、医師及び看護師が同意書・問診票の内容を確認します。
*更衣室で検査着に着替えていただきます。更衣室に錠付ロッカーがありますので、貴重品はそちらへお入れください。
*内視鏡室に移動します。
*血圧・脈拍・血中酸素濃度を測定します。検査中もモニターにて管理します。
*鎮静剤の使用を希望された方には点滴をはじめます。
*左を下に、横向きになり検査を行います。
*検査時間は約15分~30分です。
*鎮静なしの場合は、検査終了後すぐに着替えていただき、医師より結果説明があります。
*鎮静ありの場合は、検査終了後、鎮静剤が覚めるまで1時間程度休んでいただきます。
*目が覚めてから着替えていただき、医師より結果説明があります。(鎮静剤の効き具合により、前後する可能性があります)
【クリニックで洗腸剤を飲む場合】
*朝9時にクリニックに来院していただきます。
*来院されたら、医師及び看護師が同意書・問診票の内容を確認します。
*洗腸剤を3時間程度かけて飲んで頂きます。
*便がきれいになったら、更衣室で検査着に着替えていただきます。更衣室に錠付ロッカーがありますので、貴重品はそちらへお入れください。
*内視鏡室に移動します。
*血圧・脈拍・血中酸素濃度を測定します。検査中もモニターにて管理します。
*鎮静剤の使用を希望された方には点滴をはじめます。
*左を下に、横向きになり検査を行います。
*検査時間は約15分~30分です。
*鎮静なしの場合は、検査終了後すぐに着替えていただき、医師より結果説明があります。
*鎮静ありの場合は、検査終了後、鎮静剤が覚めるまで1時間程度休んでいただきます。
*目が覚めてから着替えていただき、医師より結果説明があります。(鎮静剤の効き具合により、前後する可能性があります)
Cost
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の費用
1割負担 | 3割負担 | |
大腸内視鏡検査のみ | 2,000円程度 | 6,000円程度 |
大腸内視鏡検査 + 病理組織検査 |
3,000円~5,000円程度 | 10,000~16,000円程度 |
大腸ポリープ切除術 | 7,000円~10,000円程度 | 20,000円~30,000円程度 |
※初診料・再診料、ポリープの切除個数や部位、おくすり処方の有無により変動することがあります。
Precautions
午前に検査の方・・・前日21時以降は絶食、お茶・水の摂取は可能です。
午後に検査の方・・・
*ゆったりした服装で
*朝は絶食で、お茶・水の摂取は可能です。朝食時の内服薬は血圧の薬以外は中止してください。
*「同意書」・「問診票」は記入の上、お持ちください。
*来院手段について、鎮静剤をご希望の方は、自転車・車の運転はご遠慮ください。