血便|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

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血便

Bloody Stool

血便|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

血便とは

血便は消化管(胃・小腸・大腸)のどこかから出血して便に血が混じる病態です。肛門から離れている胃や十二指腸からの出血では黒っぽい便になり、肛門に近い場所から出血している場合には便に真っ赤な血が付着しているように見えます。また、見た目ではわからないほど微量な血液が含まれている場合は、便潜血検査で陽性でわかることがあります。
肉眼でわかる血便がれば、すぐに消化器科を受診してください。その際には、どんな血便があったのか(とくに色が大切)を観察して、問診で医師に伝えてください。また、便潜血検査の陽性が出た場合は、前がん病変の大腸ポリープ(腺腫)の段階で切除して大腸がん予防につなげられる可能性があるため、早めに大腸内視鏡検査を受けましょう。

血便の原因

血便の原因にはさまざまなものがありますが、大きく分けると次のようになります。

(1)大腸の病気
血便を生じる病気として多いのは、大腸の病気によるものです。大腸がんや大腸ポリープ、大腸憩室などがありますが、それらの病変部からの出血によって便に血液が混ざる状態となります。
また、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、虚血性大腸炎、偽膜性大腸炎などのように、大腸粘膜に出血を伴う病変が生じる病気でも血便を生じることもあります。

(2)痔
痔には内痔核や外痔核(いぼ痔)のようにいくつかの種類があります。その多くは排便時に痛みを伴い、便の表面に血が付着することで血便を生じます。

(3)血液の病気
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、播種性血管内凝固症候群(DIC)や白血病などのような、血小板の減少によって血が止まりにくくなる病気では、腸粘膜へのわずかな刺激により出血を生じることがあり、血便の原因となることがあります。

(4)感染性胃腸炎
感染性胃腸炎の原因菌の中でもカンピロバクターやサルモネラ、腸管出血性大腸菌(O157)、黄色ブドウ球菌などは、腸の壁に強い炎症を引き起こして出血を生じ、血便の原因となることがあります。このような細菌性胃腸炎は血便を生じるものがありますが、ウイルス性胃腸炎は血便を生じるものがほとんどないのが特徴です。
サルモネラの潜伏期間は8〜48 時間、黄色ブドウ球菌は約2~8時間と短いのものとは対照的に、カンピロバクターの潜伏期間は2~5日、病原性大腸菌感染症(O157)は4~8日と長いのが特徴です。

血便の種類

(1)鮮血便
鮮やかな赤色の出血で、一目で血便とわかるものです。肛門から近い部位からの出血や、憩室出血などで腸から大量に出血している場合に見られます。

(2)暗赤色便
便が大腸を通る消化途中のどこかから出血が起こっていて、肛門から排出されるまである程度時間がかかっている場合には、鮮血便よりも暗い血液が混じった便になります。

(3)粘血便
ゼリー状の血液と粘液を伴う便です。炎症性腸疾患や感染性腸炎によることが多く、下痢や腹痛などの症状を伴う場合があります。

(4)黒色便(タール便)
海苔のような真っ黒な液体の便で、上部消化管(胃・小腸)などの出血で起こっている場合にみられます。腸管で吸収されなかった鉄が酸化されるため、黒色便となります。鉄剤を内服している場合にも、このような黒色便となります。

(5)潜血便
目で見てもわからない少量の血が混じっている状態のため、便潜血検査でしか診断できません。

血便が起こる症状

疾患

出血量

場所

便の状態

裂肛・内痔核

少量〜多量

肛門

鮮血便

大腸がん・大腸ポリープ

少量

直腸・大腸

鮮血便〜暗赤色便

大腸憩室出血

多量

大腸

鮮血便〜暗赤色便

感染性大腸炎・虚血性大腸炎

少量〜多量

大腸

暗赤色便

メッケル憩室出血・小腸潰瘍

多量

小腸

暗赤色便

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

多量

胃、十二指腸

黒色便

小腸潰瘍・小腸腫瘍

少量〜多量

小腸

黒色便

炎症性腸疾患・アメーバ腸炎など

少量〜中等量

大腸

粘血便

検査・診断

血便を主訴に病院を受診すると、以下の検査が行われます。

(1)血液検査
消化管からの出血によって貧血を引き起こしている可能性があるため、貧血の有無を調べます。また、炎症(CRP、赤沈)の有無も確認できます。

(2)画像検査
大腸内に腫瘍性病変や腸閉塞などがないかを確認するために、レントゲン検査や造影CT検査などが行われます。

(3)上部内視鏡検査(胃カメラ)
黒色便(タール便)の場合には、胃や十二指腸が出血している可能性があります。深い潰瘍があることも考えられるため、できるだけ早く胃内視鏡検査で胃や十二指腸の粘膜の状態を確認する必要があります。なお、検査中に悪性疾患を疑う所見を認めた場合は、組織を採取して生検を行い、確定診断を行います。また、検査中に出血部位に止血剤であるトロンビンを撒布したり、クリップで止血する治療もできます。

(4)下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸の病気が疑われる場合には、大腸粘膜を直接確認するための内視鏡検査がおこなわれます。また、腫瘍性病変が発見された場合には、その一部を採取して病理検査を行い、確定診断を行います。

(5)便検査
感染性胃腸炎が疑われる場合には、便の培養検査や遺伝子検査を行い、原因となる病原体の特定が行われます。

血便の予防

(1)定期健診
血便を起こす疾患で最も心配されるのは胃がんや大腸がんです。
胃がんは、内視鏡検査で胃がんの原因の一つであるピロリ菌感染の有無や粘膜の状態を調べることで、早期発見と治療により完治も可能です。また、近年罹患者数や死亡者数が増え続けている大腸がんも、定期的な内視鏡検査で早期発見できれば、内視鏡治療を行うことが可能であり、開腹手術を受ける必要がなくなります。胃がんにせよ大腸がんにせよ、血便を起こす前に、内視鏡検査を受けることが大切です。定期的に健診を受けることをお勧めします。

(2)ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌は、(慢性)萎縮性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の発症原因であり、胃がん発症のリスクを上昇させます。ピロリ菌がすんでいる方は、胃や十二指腸が炎症を繰り返して潰瘍を起こし、出血により血便を起こす可能性があります。ピロリ菌の除菌治療を行うと潰瘍の再発が減ると同時に胃がん発症のリスクが低下します。
除菌治療は、抗生物質2種類と胃酸分泌抑制剤を1週間服用するだけですので、治療による身体への負担もほとんどありません。ただし、ペニシリンアレルギーをお持ちの方は、保険による除菌治療が行えないため、自費診療での治療となります。

(3)便秘の改善
便秘では硬い便が肛門や直腸に擦れて裂肛(切れ痔)による出血しやすくなります。また、便秘により排便時に息みすぎて、腸への負担が増えると出血を起こす大腸疾患や内痔核などの発症につながります。便秘を解消することで、血便を起こすような疾患を予防できます。特に頑固な便秘がある場合、専門的な治療を受けて解消させることが重要です。また、便秘による強いいきみは、脳血管障害や虚血性心疾患などを発症するリスクも高めてしまいます。近年、新しい作用機序の便秘薬が立て続けに数種類発売され、選択肢も広がりました。便秘でお悩みの方は、当院を受診して頂ければ幸いです。