花粉症の治療について
花粉症について
【症状について】
花粉症の3大症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。
アレルギー学では、「くしゃみ・鼻水型」、「鼻閉型」、全ての症状がある「完全型」の3つに分類されており、症状によって治療方法が異なります。
【治療について】
花粉症薬のCMで「医療用製剤と同等成分配合」という言葉を聞いたことがあると思います。
市販薬で対応できる症状は、「くしゃみと鼻水のみ」ということが意外と知られていません。
鼻づまりには、市販薬では対応できません。
くしゃみ・鼻水には 抗ヒスタミン薬(市販薬では、アレグラ、クラリチン、アレジオンなど)、
鼻づまりには、抗ロイコトリエン阻害薬(市販薬はありません)、
くしゃみ・鼻づまりが合併する完全型には両方の薬を使用します。
症状が改善しない場合は、上記薬剤に加えて鼻噴霧用ステロイド薬を使用します。効果を実感できるのは、使用後3~5日後であり、速効性はありません。1回使用しただけで効果がないと思って使用を中断せず毎日点鼻してください。
また、市販の点鼻薬は血管収縮剤が配合されており速効性はありますが、長期で使い過ぎると効果が弱くなるだけでなく、鼻血の原因となりますので注意が必要です。
重症の場合は、医療用の点鼻薬にも血管収縮作用を含む点鼻薬を使用することがあるため、医師の診断のもと適正に薬剤を使用しましょう。
また重症の治療薬として、抗IgE抗体(商品名:ゾレア)も当院では使用可能です。抗IgE抗体とは、アレルギーの免疫細胞であるIgE抗体と結合してアレルギー反応を根本的に抑制する注射薬です。治療費は、3割負担でおおよそ月13,000円必要です。抗IgE抗体のメリットはなんと言っても眠気がない点です。抗アレルギー剤を増やすと眠気が出て学業に支障が出てしまう受験生にお勧めの治療です。自治体によっては、18歳未満であれば医療費が定額の場合もありますので、お住まいの自治体にお問い合わせください。
【2025年春の花粉飛散予測 】
日本気象協会2025年春の花粉飛散予測(第3報)によると、2月中旬よりスギ花粉が飛び始め、飛散量は近畿地方では例年の2倍とのことです。
https://www.jwa.or.jp/news/2025/01/25128/
花粉症の治療は、症状が軽いうちから始める「初期療法」が効果的とされており、今年は2月初めからの治療開始がお勧めです。