スギ花粉症とダニアレルギーを同時に治す!併用舌下免疫療法の正しい進め方と毎日のルール (Dual SLIT)|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

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スギ花粉症とダニアレルギーを同時に治す!併用舌下免疫療法の正しい進め方と毎日のルール (Dual SLIT)

スギ花粉症とダニアレルギーを同時に治す!併用舌下免疫療法の正しい進め方と毎日のルール (Dual SLIT)|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

2026年6月06日

スギ花粉症とダニアレルギーを同時に治す!併用舌下免疫療法の正しい進め方と毎日のルール (Dual SLIT)

スギ花粉症とダニアレルギーの舌下免疫療法を同時に行う方法

アレルギーの根本的な体質改善を期待できる治療法として、舌下免疫療法が広く知られています。スギ花粉症とダニアレルギーの両方に悩まされている方の場合、これら2つの治療を同時に並行して行う「併用療法」(Dual SLIT)が可能です。
2つの治療を同時に進めても安全性に大きな問題はなく、むしろ単独で行うよりも高い効果が得られることが分かっています。具体的な進め方や毎日の服用ルール、注意点について解説します。

1.治療を開始する手順:段階的な導入

2つの治療を同時に行うといっても、まったく同じ日に両方の薬を同時に飲み始めるわけではありません。安全性を最優先に確保するため、段階的に導入していくのが一般的な方法です。

最初の1ヶ月は1剤目のみを服用する(単剤治療期間)

まず、どちらか一方のアレルギー治療薬(例えばスギ花粉症の薬)から治療を開始します。どちらを先にするかは、患者さんの症状の強さや、治療を開始する時期(季節)によって医師が判断します。スギ花粉の飛散時期である1月から5月頃はスギの治療を新しく始めることができないため、この時期に治療をスタートする場合は、まずダニの治療から先行させることになりますが、当院では、基本的にはスギの治療から始めています。その理由は、ダニの舌下免疫療法はスギに比べて初期のアレルギー反応が強いからです。スギの舌下免疫療法は全く問題無く導入できたものの、ダニを導入した際、舌の痛みや動悸の症状が出て恐くなってスギだけ継続している患者さんもいます。

体の反応を確かめるテスト期間

1剤目を開始してからおよそ4週間は、そのお薬だけで毎日服用を続けます。この期間は、お薬に対して体に重大なアレルギー反応(アナフィラキシーなど)が起きないか、あるいは口の中の痒みや腫れといった局所的な副反応が自然に落ち着いていくかを確認するための大切な期間となります。

4週間後に2剤目を追加する(併用療法の開始)

1剤目を毎日安全に服用でき、体に問題がないことを確認した上で、いよいよ2剤目(例えばダニのアレルギー薬)を追加します。2剤目を追加する際も、最初はアレルゲンの量が少ないお薬から始めて、1週間ほどかけて徐々に通常の量(維持量)へと増やしていきます。

このように時期をずらして開始する理由は、もし服用後に口の中が腫れたり体調が悪くなったりしたときに、どちらのお薬が原因で副反応が起きたのかを医師が正確に特定できるようにするためです。

2.毎日の服用ルールとタイミング

2つの薬を併用する段階に入った後も、完全に同時に2つの錠剤を口の中に入れることはできません。お薬を正しく体に吸収させ、副反応を抑えるために、以下のいずれかの方法で服用します。

5分以上の間隔を空けて連続で服用する方法

現在、多くの臨床研究で安全性が確認されている一般的な方法です。まず1つ目のお薬を舌の下に入れ、規定の時間(通常は1分から2分間)保持したあとに飲み込みます。その後、5分以上の間隔を空けてから、2つ目のお薬を同様に舌の下に入れ、規定の時間保持して飲み込みます。

わずか5分ほどの間隔であっても、時間を空けることで、お口の粘膜に過度な刺激が一度に加わるのを防ぎ、痒みや腫れなどの局所的な副反応を抑えることができます。

朝と夜に服用のタイミングを完全に分ける方法

毎日の生活リズムに合わせて、例えば「朝にスギの薬、夜にダニの薬」というように、服用のタイミングを完全に朝と夜に分けて行う方法もあります。特に治療の初期段階でお口の中の痒みが気になりやすい方や、連続して服用する時間が取りにくい方に適しています。

3.服用前後の生活における注意点

舌下免疫療法のお薬は、服用する前後2時間は、激しい運動、入浴、アルコールの摂取を避ける必要があります。これは、血行が良くなることでお薬の吸収が急激に増え、副反応が強く出てしまうのを防ぐためです。

2つの薬を5分間隔で連続して服用する場合、2つ目のお薬を飲み終えた時点から2時間の制限時間がスタートします。そのため、学校や仕事、入浴の時間などを考慮し、毎日の生活の中で無理なく2時間を確保できるタイミング(例えば、夕食の前の落ち着いた時間や、朝起きてすぐの時間など)をあらかじめ決めておくことが継続のコツです。

4.同時に行うことによる効果(メリット)

スギとダニの治療を同時に行うことは、単に2つのアレルギーを一度に治せるという効率の良さだけではありません。近年の科学的な研究により、相乗効果があることが実証されています。

ダニのアレルギーを持つ人は、一年を通じて鼻の粘膜に慢性的な軽い炎症が起きており、鼻の粘膜が非常に敏感(過敏)になっています。この状態のまま春を迎えてスギ花粉を浴びると、過敏になった鼻粘膜が激しく反応し、ひどい鼻づまりや鼻水を引き起こします。

研究データでは、スギ単独の治療を行っている患者さんよりも、ダニの治療も一緒に並行して行っている患者さんの方が、春のスギ花粉の飛散ピーク時において、鼻づまりの症状がより強力に抑えられたことが分かっています。つまり、ダニの治療によって日常的な鼻の過敏性をあらかじめ抑えておくことで、スギ花粉が襲ってきたときの症状の悪化を効果的に防ぐことができるのです。

出典元一覧

  1. Safety profile and immunological response of dual sublingual immunotherapy with house dust mite tablet and Japanese cedar pollen tablet, Gotoh M, Okubo K, Yuta A, Ogawa Y, Nagakura H, Ueyama S, et al. Allergol Int. 2020 Jan;69(1):104-110. DOI: 10.1016/j.alit.2019.07.007
    要約:ダニ錠剤とスギ錠剤による併用舌下免疫療法の安全性と免疫応答を検討したオープンラベル試験。重篤な有害事象は認められず、併用群・単独群ともに良好な安全性プロファイルを示した。また、両アレルゲンに対する特異的IgG4の上昇が確認され、免疫学的有効性も示唆された。 
  2. Dual sublingual immunotherapy with Japanese Cedar Pollen droplets and House Dust Mite tablets, Matsuoka T, Igarashi S, Kuroda Y, Fukano C, Natsui K, Doi-Ohashi K, Masuyama K. Allergol Int. 2019 Oct;68(4):533-535. DOI: 10.1016/j.alit.2019.03.005
    要約:スギ花粉液剤とダニ錠剤を用いた併用舌下免疫療法の症例報告。両製剤を同時に使用した場合でも重篤な副反応は生じず、安全に投与できた。少数例ながら、併用療法の実施可能性と忍容性を示した初期報告として意義がある。 
  3. Efficacy of dual sublingual immunotherapy with Japanese cedar pollen and house dust mite allergens in patients with allergic rhinitis sensitized to multiple allergens, Fujii T, Kitamura Y, Kamimura S, Ishitani K, Takeda N. Laryngoscope Investig Otolaryngol. 2022 Feb;7(1):36-42. DOI: 10.1002/lio2.740
    要約:多重感作アレルギー性鼻炎患者を対象に、スギ・ダニ併用舌下免疫療法の有効性を後ろ向きに検討。単独療法と比較して、併用群でも鼻症状スコアの有意な改善が得られ、多重感作患者に対する併用療法の臨床的有用性が示された。 

大阪府吹田市長野東19番6号
千里丘かがやきクリニック

院長 有光潤介

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