朝までぐっすり!CPAPの二大トラブル『空気漏れ』と『お腹の張り』を解消する快適睡眠ガイド|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

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朝までぐっすり!CPAPの二大トラブル『空気漏れ』と『お腹の張り』を解消する快適睡眠ガイド

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2025年12月30日

朝までぐっすり!CPAPの二大トラブル『空気漏れ』と『お腹の張り』を解消する快適睡眠ガイド

CPAP治療を継続する上で、マスクからの空気漏れ(リーク)やお腹の張り(呑気症:どんきしょう)は、多くの患者さんが直面する「二大トラブル」です。これらが不快で治療をやめてしまう方もいますが、適切な対策で改善できることがほとんどです。
それぞれの原因と具体的な対策を詳しく解説します。

マスクからの空気漏れ(リーク)対策

空気が漏れると、シューシューという音で目が覚めたり、漏れた風が目に当たって乾燥したり、十分な圧力が気道にかからず治療効果が落ちたりします。

装着のタイミングと姿勢を変える

多くの人が「座った状態」でマスクを装着し、バンドを締めてから横になりますが、これは間違いのもとです。人間の顔の肉は、仰向けになると重力で形が変わります。
対策: 「ベッドに横になってから」バンドを調整してください。
コツ: 一度マスクを顔から少し浮かせ、空気を入れて膨らませてから、そっと顔に乗せる(パッキングする)イメージで着けると、吸盤のようにフィットします。

バンドを締めすぎない(逆効果の防止)

空気が漏れると、ついバンドをきつく締めたくなりますが、締めすぎるとクッションがつぶれて隙間ができ、かえって漏れやすくなります。
対策: クッションが少し膨らんでいる状態を保てる程度、「指が1〜2本入るくらいの余裕」を持たせるのが正解です。

皮脂汚れを落とす

マスクのシリコン部分に顔の皮脂がついていると、圧力でマスクが滑り(ズレて)、そこから空気が漏れます。
対策: 毎朝、中性洗剤(食器用洗剤など)でシリコン部分を洗ってください。また、寝る前の洗顔で顔の脂を落としておくことも重要です。

口からの空気漏れ(マウスリーク)

鼻マスクを使用している場合、口が開いてしまうと、鼻から入った空気がそのまま口から抜けてしまいます。これでは気道が広がりません。
対策:
チンストラップ(顎固定バンド): 顎が下がらないように固定するサポーターを使います。
口閉じテープ: 市販のサージカルテープ(医療用テープ)や専用のテープ(ネルネル等)を口に貼り、物理的に口が開かないようにします。
フルフェイスマスクへの変更: どうしても口が開く場合は、鼻と口を覆うマスクへの変更を医師に相談してください。

お腹の張り・ガス(呑気症:どんきしょう)対策

朝起きるとお腹がパンパンに張っていたり、おならやゲップが止まらなくなったりする症状です。空気を肺ではなく胃に飲み込んでしまうことで起こります。

枕の高さを見直す(気道の確保)

枕が高すぎて顎が胸につくような姿勢(首が折れ曲がった状態)になると、気道が狭くなり、空気が食道(胃の方)へ流れ込みやすくなります。
対策: 顎が少し上がる程度の高さに調整するか、CPAP用の枕(横向き寝がしやすく、ホースが邪魔にならない形状のもの)を検討してください。気道が真っ直ぐ確保されると、空気はスムーズに肺へ流れます。

呼気リリーフ機能(EPR/C-Flexなど)の設定

息を吐くときにも強い圧力がかかり続けると、吐ききれずに空気を飲み込んでしまうことがあります。
対策: 多くのCPAP機器には、「息を吐くときだけ圧力を少し下げる機能(呼気リリーフ)」がついています。この設定がOFFになっていないか、あるいは弱すぎないか、主治医や業者に相談して設定を変更してもらってください。

抗アレルギー薬や加湿器を使う

鼻詰まりがあると、無意識に口呼吸になりやすく、また鼻の抵抗が高まることで空気を飲み込みやすくなります。
対策: 抗アレルギー剤を処方してもらい鼻の通りを良くする、またはCPAP専用の加湿器を使って鼻粘膜の腫れを抑えることが有効です。

その他のよくあるトラブルと対策

喉や鼻が痛い・乾燥する

冷たく乾いた風が送り込まれることで炎症が起きています。
対策:加湿器(チャンバー)の導入が必須です。冬場はホース内で結露(水滴)が発生しやすいため、電熱線が入った「加温チューブ」を使うと、温かく湿った空気が届き、劇的に快適になります。

マスクの跡が顔に残る・かぶれる

対策: バンドの締めすぎが原因であることが多いです(前述の通り緩めます)。
バンドの頬に当たる部分に、市販の「ストラップカバー(フリース素材などの布)」を巻くと、肌への食い込みが軽減されます。
シリコンとかぶれる場合は、布製マスク(サーカディアンなど)への変更も選択肢に入ります。

まとめ:トラブル解決のためのアクションプラン

もし今夜から試すなら、まずは以下の3つを実践してみてください。
寝る直前に顔を洗い、マスクのシリコン部分も洗剤で洗って皮脂を落とす。
・ベッドに横になってから、マスクを顔に吸い付かせるように装着し、バンドは「少し緩め」にする。
・枕の高さを確認し、顎が引けすぎない(気道が確保される)位置を探す。
これらを行っても改善しない場合は、機器の設定圧力が合っていない可能性があります。次回の外来時に「お腹が張って辛いので、圧力を調整するか、呼気リリーフ機能を強めてほしい」と医師に具体的に伝えてください。

大阪府吹田市長野東19番6号
千里丘かがやきクリニック

院長有光潤介

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