胃カメラの頻度は何年ごとが正解?年齢・ピロリ菌リスク別の受診目安|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

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胃カメラの頻度は何年ごとが正解?年齢・ピロリ菌リスク別の受診目安

胃カメラの頻度は何年ごとが正解?年齢・ピロリ菌リスク別の受診目安|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

2026年5月21日

胃カメラの頻度は何年ごとが正解?年齢・ピロリ菌リスク別の受診目安

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)をどれくらいの頻度で受けるべきかについては、すべての一般の方に当てはまる「たったひとつの正解」はありません。ご自身の年齢、現在の胃の健康状態、そして過去の病歴によって推奨される間隔は大きく変化します。

国の基準:50歳以上の方は「2年に1回」

日本の国立がん研究センターが定めている「胃がん検診ガイドライン」では、50歳以上のすべての方に対して、対策型検診(市区町村などが実施する公的な検診)として「2年に1回の胃カメラ検査」を推奨しています。

以前は40歳以上を対象に、毎年バリウム検査を行うことが主流でした。しかし医療技術の進歩により胃カメラの精度が飛躍的に向上した結果、現在では50歳以上の方であれば「2〜3年ごとの胃カメラ検査」で十分に早期発見が可能であることが科学的に証明されています。2年ごとの検査をしっかり受けていれば、万が一胃がんが発生したとしても、お腹を切る手術ではなく、口から内視鏡を入れてがんを削り取る負担の少ない治療で完治できる段階で見つかる確率が非常に高くなります。

個別の状態に合わせた適切な頻度(個別化検診)

「2年に1回」というのは、あくまで全体に向けた標準的なルールです。実際の医療現場では、胃がんの最大のリスク要因である「ピロリ菌」の感染状況と、それによる「萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)」の進行度に合わせて、一人ひとりに最適な間隔を医師が判断します。分かりやすく分類すると以下のようになります。

リスクの高さ

推奨される受診頻度

主な対象となる方

「極めて高い」

半年に1回〜1年に1回

過去に早期胃がんの内視鏡治療を受けたことがある方

「高い」

1年に1回

ピロリ菌に現在感染している、除菌歴がある、萎縮性胃炎がある方

「低い」

2年〜3年に1回(またはそれ以上)

ピロリ菌に一度も感染したことがなく、胃の粘膜が正常な方

リスクが極めて高い方(異時性胃がんのリスク)

すでに早期胃がんにかかり、内視鏡での切除治療を受けた経験がある方は、胃の別の場所に新しいがんができる「異時性胃がん」が発生するリスクが非常に高い状態です。そのため、治療後最初の3年間は半年に1回、その後も最低でも1年に1回の厳重なチェックが必要不可欠とされています。

リスクが高い方

ピロリ菌に感染していると、胃がんが発生する下地ができている状態のため、1年ごとの検査が推奨されます。また、過去にピロリ菌の除菌治療を受けた方も決して油断はできません。除菌に成功しても、一度荒れてしまった胃の粘膜が完全に元通りになるわけではなく、発がんリスクは残るため、引き続き1年ごとの定期検査が強く推奨されます。

 

リスクが低い方

これまでピロリ菌に一度も感染したことがなく、過去の胃カメラでも胃の粘膜に全く異常がないと診断された方は、胃がんになるリスクが極めて低いです。このような方は、自治体の案内に従って2年に1回受診するか、主治医の判断によってはさらに間隔を延ばしても安全であるとする研究結果も報告されています。

 

若い世代(20代〜40代)の対応について

国の指針は50歳からですが、40代の方でもピロリ菌に感染している場合や、ご家族に胃がんになった方がいる場合は、早めに最初の胃カメラ検査を受けることをお勧めします。

また、20代や30代で特に症状がない場合は毎年胃カメラを受ける必要はありませんが、一度血液検査や呼気検査などで「ご自身がピロリ菌に感染していないか」を確認しておくことが、生涯にわたる確実な胃がん予防への第一歩となります。ご自身の胃の状態を把握し、主治医と相談して自分専用のスケジュールを立てることが、無理なく健康を守る最大の秘訣です。

参考文献

  1. Optimal interval of endoscopic screening based on stage distributions of detected gastric cancers, Hamashima C, et al. BMC Cancer . 2017 Nov 9.DOI: 10.1186/s12885-017-3710-x
    要約: 日本における胃カメラ検診の適切な間隔を検討した研究。毎年または2年ごとの検査であれば未受診者と比較して進行がんの割合が圧倒的に低く、生存率も有意に高いことを示し、少なくとも2年間隔の検診が有効かつ安全であることを結論づけています。

  2. Optimal Endoscopic Screening Interval for Early Detection of Gastric Cancer: a Single-Center Study, Jin S, et al. J Korean Med Sci . 2018 May 9. DOI: 10.3346/jkms.2018.33.e166
    要約: 胃がんの早期発見における内視鏡検査の間隔を調査した前向き研究。2年または3年間隔での定期的な胃カメラ検査が、胃がんを内視鏡手術で完治可能な「早期がん」の段階で発見するために極めて有効なスケジュールであることを実証した重要な論文です。
  3. A study protocol for expanding the screening interval of endoscopic screening for gastric cancer based on individual risks: prospective cohort study of gastric cancer screening, Hamashima C, et al. Ann Transl Med . 2020 Dec. DOI: 10.21037/atm-20-5949
    要約: 全員一律の検診ではなく、個人のリスクに応じて胃カメラの受診間隔を個別化するための研究プロトコル。ピロリ菌未感染など胃がんにかかるリスクが極めて低い層に対しては、検診間隔を現在の2年から4年へと安全に延長できる可能性を探っています。
  4. Optimal Surveillance of Metachronous Gastric Lesion after Endoscopic Resection of Early Gastric Cancer, Joo DC, et al. Gut Liver . 2024 Aug 8. DOI: 10.5009/gnl240027
    要約: 早期胃がんを内視鏡で切除した後の高リスク患者に向けた、追跡調査の最新レビュー論文。治療後も別の場所に新しいがんが発生するリスクが高いため、最初の3年間は半年に1回、その後は1年ごとの厳重な定期検査を続けることが推奨されています。

 

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