慢性じんま疹|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

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慢性じんま疹

慢性じんま疹|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

慢性じんま疹

CHRONIC URTICARIA

慢性じん麻疹

「毎日のように出ては消えるかゆみ」「検査をしても原因が分からないまま何か月も続いている」——じん麻疹は6週間を超えて続くと慢性と呼ばれ、その多くは特定の食べ物が原因ではありません。当院ではアレルギー診療の視点で見きわめたうえで、症状の出ない状態を確実につくる治療を組み立て、必要に応じて漢方も併せながら、無理なく薬を減らしていける状態を目指します。

このような症状・お悩みはありませんか

  • かゆみを伴う赤い盛り上がり(膨疹)が、出たり消えたりを繰り返している
  • 夕方から夜、あるいは明け方に症状が強くなる
  • 症状が6週間以上、あるいは何か月も続いている
  • 検査で「異常なし」と言われ、原因が分からないままになっている
  • 抗ヒスタミン薬を飲んでいるが、すっきり抑えきれない
  • かゆみで眠れず、日中の集中力が落ちている
  • 薬を飲むと眠くなるので、飲むのをためらっている
  • まぶたや唇が腫れることがある
  • 食べ物が原因ではないかと、心当たりの食品を広く避けている

思い当たるものがあれば、一度ご相談ください。慢性のじん麻疹は「原因が分からないから治せない」病気ではありません。適切に薬を使えば、症状のない状態を保ちながら経過をみていける方が大半です。

じん麻疹には、いくつかのタイプがあります

じん麻疹は、皮膚の血管から水分が一時的にしみ出して起こるむくみ(膨疹)です。特徴は、個々の皮疹が数十分から数時間、遅くとも24時間以内には跡を残さず消えること。これが6週間を超えて続く場合を「慢性じん麻疹」と呼びます。治療の進め方はタイプによって変わるため、まずどれにあたるかを見きわめることが出発点です。

  • 特発性の慢性じん麻疹SPONTANEOUS

    直接の誘因なく、毎日のように膨疹が出没するタイプ。慢性じん麻疹の大半を占めます。疲労・睡眠不足・ストレス・感染・月経周期などで悪化しやすい一方、「これを避ければ出ない」という単一の原因は見つからないことがほとんどです。近年は、肥満細胞を活性化させる自己抗体の関与が明らかになってきました。

  • 機械性じん麻疹・皮膚描記症MECHANICAL

    下着やベルトでこすれた部分、かいた部分に一致して、ミミズ腫れのような膨疹が出るタイプ。特発性のじん麻疹と重なって現れることも多く、診察室で皮膚を軽くこすることで確認できます。

  • 寒冷・温熱・日光じん麻疹PHYSICAL

    冷たい水や外気に触れたとき、入浴や運動で温まったとき、日光に当たった部分に限って症状が出るタイプ。誘因がはっきりしているぶん、生活面の対策も立てやすくなります。

  • コリン性じん麻疹CHOLINERGIC

    運動・入浴・緊張など、汗をかく場面で、1〜4mmほどの小さな膨疹がチクチクとした感覚とともに多発するタイプ。若い方に多くみられ、発汗そのものが引き金になります。

  • 血管性浮腫ANGIOEDEMA

    かゆみよりも「腫れ」が前面に出て、まぶたや唇が数日かけて腫れて引くタイプ。降圧薬(ACE阻害薬)が原因になることもあり、繰り返す場合には遺伝性血管性浮腫(HAE)の可能性も検討します。

  • じん麻疹に似た別の病気DIFFERENTIAL

    個々の皮疹が24時間以上続く、押すと痛い、消えた後に色素沈着が残る——こうした場合は、じん麻疹様血管炎など別の病気を考えます。湿疹、痒疹、虫刺され、疥癬などとの区別も必要です。

「原因を突き止めること」が治療の前提ではありません

慢性じん麻疹の多くは、食べ物が原因ではありません

「何か食べたせいだ」と考えて食事を制限される方は少なくありませんが、6週間以上続く慢性のじん麻疹で、特定の食物が原因と確認できる例はごくわずかです。毎日のように症状が出ている場合、食物以外の要因を考えるほうが理にかなっています。

血液検査で特定の食物に反応する抗体(特異的IgE抗体)が陽性であっても、それだけでは食品を除去する根拠になりません。不必要な除去は栄養の偏りや生活の制限につながるため、経過と照らし合わせて判断します。

原因は分からなくても、悪化させる引き金は分かります

疲労、睡眠不足、ストレス、かぜなどの感染、月経周期、飲酒、入浴や急な温度変化、締めつける衣類。そして解熱鎮痛薬(NSAIDs)は、じん麻疹をお持ちの方の一部で症状を強めることが知られています。これらを整えるだけでも、薬の効き方が変わってきます。

目標は「原因の解明」ではなく「症状の消失」です

慢性じん麻疹は、薬で症状を抑えた状態を保ちながら経過をみることで、多くの方が数か月から数年のうちに軽快していきます。まずは膨疹もかゆみも出ない状態をつくり、それを維持したうえで少しずつ薬を減らしていく——これが標準的な進め方です。

当院で行う検査

検査は、やみくもに項目を増やすものではありません。問診でうかがった経過をもとに、症状の説明がつくかどうか、背景に別の病気が隠れていないかを軸に組み立てます。

問診と皮膚の診察 皮疹が出てから消えるまでの時間、跡が残るかどうか、腫れの部位、1日のうちいつ出やすいか。診察では、皮膚をこすったときに膨疹が出るか(皮膚描記症)も確認します。診断の方向は、この段階でおおよそ定まります。
血液一般・炎症反応・肝腎機能 全身の状態と、背景に炎症性の病気が隠れていないかを確認します。治療薬を選ぶうえでも必要な情報です。
甲状腺機能・甲状腺自己抗体 慢性じん麻疹の方では、橋本病やバセドウ病などの甲状腺疾患や、甲状腺に対する自己抗体を伴う頻度が高いことが知られています。該当する場合は、甲状腺の治療とあわせて経過をみます。
総IgE・好酸球数・特異的IgE抗体 アレルギー体質の全体像を把握します。特異的IgE抗体は、経過から特定の食物や薬剤が疑われる場合に、的をしぼって調べます。
感染症・ピロリ菌の検索 慢性の感染がじん麻疹に関与している場合があります。当院は消化器内科としてピロリ菌の検査・除菌治療にも対応しています。
血管性浮腫が主体の場合 かゆみを伴わない腫れを繰り返す場合は、補体(C4)やC1インヒビターを測定し、遺伝性血管性浮腫の可能性を確認します。
皮膚科との連携 じん麻疹様血管炎など、皮膚生検による診断が望ましいと判断した場合は、実施可能な医療機関へご紹介します。

治療の進め方

眠気の出にくい抗ヒスタミン薬から始める

治療の基本は、第二世代(非鎮静性)の抗ヒスタミン薬です。「症状が出たときに飲む」のではなく、決まった時間に毎日続けて飲むことで、膨疹が出る土台そのものを抑えます。効き方や眠気の程度には薬ごとの個人差があるため、生活に合うものを一緒に探します。

抑えきれなければ、増量・変更・併用を検討する

常用量で不十分な場合、国内外のガイドラインでは増量が認められています。別の系統への変更や、H2受容体拮抗薬・抗ロイコトリエン薬の追加を組み合わせ、症状が出ない量を探ります。多くの方は、ここまでの調整で落ち着きます。

難治の場合は、注射薬という選択肢がある

抗ヒスタミン薬を十分に使っても症状が続く特発性の慢性じん麻疹には、生物学的製剤が保険適用となっています。長く苦しんでこられた方でも、これらの薬で大きく改善する例は少なくありません。適応の判断と治療方針は、次の項目で詳しくご説明します。

良くなったら、あわてず段階的に減らす

症状が出ない状態が続いたら、薬を減らしていきます。ここで一気にやめると再燃しやすいため、量や間隔を少しずつ空けながら、症状が戻らないことを確かめて進めます。「抑えるために飲み続ける」段階と「減らす」段階を分けて考えることが、遠回りを避ける近道です。

抗ヒスタミン薬で抑えきれないとき

近年、慢性じん麻疹の治療選択肢は大きく広がりました。いずれも「既存治療で効果不十分な特発性の慢性じん麻疹」が対象で、症状の重さや生活のご事情をふまえて適応を判断します。

オマリズマブ
(ゾレア®)
IgEに結合して肥満細胞の活性化を抑える抗体製剤で、12歳以上が対象です。4週間ごとの皮下注射で治療し、効果が比較的早期に現れることが多く、慢性じん麻疹に対する使用実績も長く蓄積されています。
デュピルマブ
(デュピクセント®)
アレルギー性の炎症に関わるIL-4・IL-13の働きを抑える抗体製剤です。2024年2月、日本が世界に先駆けて特発性の慢性じん麻疹への適応を承認しました。12歳以上が対象で、2週間ごとの皮下注射、条件が整えば自己注射も可能です。
レミブルチニブ
(ラプシド®)
肥満細胞が活性化する信号を内側から抑える、1日2回の飲み薬(BTK阻害薬)です。2026年6月に国内で承認されましたが、2026年8月時点では薬価収載前のため、保険診療での処方はまだ開始されていません。注射に抵抗のある方にとって、今後の選択肢として期待されています。
免疫抑制薬 上記でも十分な効果が得られない場合に、シクロスポリンなどを検討することがあります。血圧や腎機能の定期的な確認が必要で、適応は慎重に判断します。
ステロイドの内服 強い症状を短期間で抑える目的に限って使います。長く続ける治療ではないため、漫然とした使用は避け、あらかじめ期間を決めて用います。

当院の慢性じん麻疹診療の特徴

  • ALLERGY

    アレルギー疾患全体を見わたして治療を組み立てる

    当院はアレルギー科としての診療も行い、花粉症・気管支喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギーを継続して診ています。じん麻疹はこれらと重なって現れることが多く、皮膚以外の症状を伴う場合には見きわめが必要です。体質全体を踏まえたうえで、治療の順序を考えます。

  • KAMPO

    漢方の視点を、標準治療の上に重ねる

    当院は漢方専門医による診療を行っています。抗ヒスタミン薬で抑えきれない、眠気などで増量が難しい、注射までは踏み切れない——そうした場面で、症状の出方や体質に応じた漢方薬を併用する選択肢があります。西洋薬の代わりに用いるのではなく、標準治療を土台としたうえでの上乗せとしてご提案します。

  • LONG TERM

    内科のかかりつけとして、背景まで含めて診続ける

    甲状腺の異常、慢性の感染、飲んでいる薬——じん麻疹の背景には内科的な要因が隠れていることがあります。血液検査から内視鏡・ピロリ菌の検査まで院内で対応でき、健診結果やほかの持病とあわせて相談できるのが、内科のかかりつけ医ならではの利点です。数か月から数年にわたる経過を、同じ場所で追い続けられます。

すぐに受診・救急要請が必要なとき

次の症状があるときは、ためらわず救急要請を

  • 息苦しさ、ゼーゼーする、声がかすれる、喉が締めつけられる感じ
  • 唇・舌・まぶたが急に大きく腫れる
  • 立っていられない、意識がもうろうとする、顔色が悪い
  • 強い腹痛、繰り返す嘔吐

皮膚の症状に加えてこれらが現れる場合は、アナフィラキシーや喉の腫れ(喉頭浮腫)が疑われます。息の通り道が狭くなると危険なため、迷わず救急車を呼んでください。アドレナリン製剤をお持ちの方は、ためらわず使用してください。

受診の際にお持ちいただきたいもの

慢性じん麻疹は、受診時に皮疹が消えていることがよくあります。次のものがあると、診断と治療方針の決定が大きく進みます。

  • 症状が出ているときの写真(スマートフォンで撮影したもので構いません)
  • これまでに使った薬の名前と、効いたかどうかの手応え
  • 現在服用中の薬・サプリメントが分かるお薬手帳
  • 症状が出た日時や、そのときの体調・行動のメモ
  • 他院で受けた血液検査の結果

よくあるご質問

  • 抗ヒスタミン薬は、症状が出たときだけ飲めばよいですか。

    慢性のじん麻疹では、毎日決まった時間に続けて飲むほうが効果的です。出てから飲む使い方では、出没を繰り返すばかりでなかなか落ち着きません。目標は「出ない状態を保つ」ことですので、症状のない日も続けていただきます。減らすのは、その状態が安定してからです。

  • 薬をやめると再発しませんか。いつまで飲むのでしょうか。

    症状が出ない状態が数週間から数か月続いたところで、少しずつ減らしていきます。途中で再燃した場合は、いったん元の量に戻し、期間を置いてからもう一度試します。多くの方は、こうした調整を重ねるうちに薬なしで過ごせるようになります。あらかじめ「何か月で終わり」と決めるものではなく、経過を見ながら判断します。

  • 眠気が心配で、薬を増やすことに抵抗があります。

    現在使われる第二世代の抗ヒスタミン薬の多くは、眠気が出にくいように設計されています。それでも個人差があるため、お仕事の内容や運転の有無をうかがったうえで薬を選びます。眠気が出やすい方には、就寝前にまとめて飲む方法、別の系統への変更、漢方の併用など、いくつかの工夫があります。我慢せずにお知らせください。

  • 食べ物やアルコールは制限すべきですか。

    特定の食物との関連がはっきりしている場合を除き、広く制限する必要はありません。ただし飲酒や香辛料、熱い食事は血管を広げて一時的にかゆみを強めることがあるため、症状が強い時期は控えめにされるとよいでしょう。「一生食べられない」と「今は控える」は別のことです。自己判断で除去を広げる前に、一度ご相談ください。

  • 慢性じん麻疹は、いつか治りますか。

    多くの方は、数か月から数年のうちに自然に軽快していきます。ただし個人差が大きく、長く付き合う方もいらっしゃいます。いずれの場合も、薬で症状が抑えられていれば日常生活への影響はほとんどありません。「治るまで我慢する」のではなく、「出ない状態を保ちながら待つ」という考え方をおすすめしています。

  • 皮膚科と内科、どちらを受診すればよいですか。

    じん麻疹は皮膚科でも内科・アレルギー科でも診療します。皮疹そのものの見きわめが難しい場合や、皮膚生検が必要と考えられる場合は皮膚科が適しています。一方、背景に内科的な要因が疑われる場合、ほかの持病とあわせて薬を調整したい場合、長く通いながら治療を続けたい場合は、かかりつけの内科でも十分に対応できます。当院では、皮膚科での対応が望ましいと判断した際には速やかにご紹介します。

  • 市販のかゆみ止めや、塗り薬だけで様子をみてもよいですか。

    じん麻疹は皮膚の表面ではなく、その下の血管で起きている反応のため、塗り薬だけで抑えきることは困難です。市販の抗ヒスタミン薬で一時的に落ち着くこともありますが、6週間以上続いている場合は、背景の確認と継続的な内服の設計が必要です。長く自己流で対処されてきた方ほど、方針を組み直すことで楽になることがあります。

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