大腸ポリープ
大腸ポリープ
大腸ポリープ
大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる盛り上がりです。その多くは腺腫と呼ばれる種類で、時間をかけて大きくなり、一部が大腸がんへと育っていきます。裏を返せば、育ちきる前に見つけて取ってしまえば、その先のがんを防げるということです。大腸がんは、検査によって発生そのものを減らせる数少ないがんです。ポリープは小さいうちはまったく症状を出さないため、症状が出てから受診するのでは間に合いません。当院では、見つけにくい病変まで丁寧に観察する大腸内視鏡と、その場での切除、そして切除後にいつ次の検査を受けるべきかの管理までを担当しています。
便潜血が陽性だった方は、症状がなくても必ず精密検査を受けてください。陽性の方の一定数に、ポリープや早期のがんが見つかります。
大腸がんの多くは、腺腫という良性のポリープが数年から十数年かけて変化して生じます。この道筋がはっきりしているため、途中の段階で取り除けば、がんになる前に断ち切ることができます。
「見つけて治す」ではなく、「見つけて防ぐ」検査です
胃カメラや他の多くの検査は、できてしまった病気を早く見つけるためのものです。大腸内視鏡はそれに加えて、がんになる前の段階で摘み取ってしまえるという点で性質が異なります。ポリープを切除した方では、その後の大腸がんの発生が減ることが分かっています。
だからこそ、症状のない時期に受けることに意味があります。血便や便通の変化が出てからでは、すでに進んでいることがあります。
見つけにくいポリープが、確かに存在します
ポリープと聞くと、きのこのように突き出た形を想像されるかもしれません。しかし実際には、ほとんど盛り上がらない平坦な病変や、周囲と色調がわずかに違うだけの病変があります。とくに大腸の奥(右側)にできる鋸歯状病変と呼ばれるものは見つけにくく、しかもがんにつながることが分かっています。
こうした病変を見落とさないためには、腸の中がきれいに洗い出されていること、そして時間をかけて丁寧に観察することが欠かせません。「一度受けたから大丈夫」ではなく、どう受けたかが結果を左右します。
当院では、これに加えてAIによる診断支援システムを導入しています。検査中、AIが画面をリアルタイムで解析し、病変の可能性がある部分を枠と音でその場で知らせます。人の目だけに頼るより、見落としを減らすことが期待できます。判断そのものは医師が行い、AIはあくまでもう一組の目として働きます。
ポリープには、がんにつながるものと、そうでないものがあります。見た目と拡大観察でおおよその判断ができ、切除した組織を調べることで確定します。
大腸ポリープを確実に見つけるには、腸をきれいにすること、丁寧に観察すること、そして必要なら同じ機会に切除することが必要です。
| 問診と診察 | 便通の状態、血便の有無、便潜血検査の結果、これまでの大腸内視鏡の履歴、ご家族の大腸がんやポリープの有無をうかがいます。飲んでいるお薬、とくに血液をさらさらにする薬は必ず確認します。過去の検査記録があればご持参ください。 |
|---|---|
| 便潜血検査の 評価 |
健診で陽性となった方には、精密検査として大腸内視鏡をおすすめします。痔があっても、それが陽性の原因とは限りません。逆に、便潜血が陰性でもポリープがないとは言えないため、年齢やご家族の状況によっては内視鏡をご案内することがあります。 |
| 検査前の準備 | 前日の食事の内容と、当日の下剤の飲み方をご説明します。腸の中がどれだけきれいになっているかが、見落としの少なさに直結します。下剤が苦手な方には、飲み方の工夫や種類の選択についてご相談に応じます。 |
| 大腸内視鏡検査 | 消化器内視鏡専門医が担当します。特殊光や拡大観察を用いて、平坦な病変や鋸歯状病変を含めて丁寧に確認します。ご希望に応じて鎮静剤を用い、うとうとした状態で受けていただけます。検査後はお休みいただく時間を設けています。 |
| AIによる 診断支援 |
当院ではAIによる診断支援システムを併用しています。検査中、AIが映像をリアルタイムで解析し、病変の可能性がある部分を枠と音で知らせます。人の目とAIの二重の確認により、見落としを減らすことが期待できます。さらに、見つかった病変を拡大して観察すると、腫瘍性か非腫瘍性かの判断をその場で支援します。切除すべきものかどうかを検査中に見極められるため、取る必要のないポリープにまで処置を加えずに済みます。最終的な判断は医師が行います。 |
| その場での切除 | 切除の対象となるポリープが見つかった場合、大きさや形によっては同じ検査の中で切除します。改めて検査を受け直す必要がなく、下剤を飲む回数も一度で済みます。大きさや数、位置によっては、入院可能な施設へご紹介します。 |
| 病理検査 | 切除した組織は顕微鏡で調べ、種類とがんの有無、深さを確認します。結果は1〜2週間ほどでご説明します。この結果が、次にいつ検査を受けるべきかを決める根拠になります。 |
切除の方法は、ポリープの大きさと形によって選びます。近年は体への負担が少ない方法が主流になりました。切除後は、出血を防ぐために一定期間の注意が必要です。
| コールド ポリペクトミー |
おおむね10mm未満の病変に対し、電気を使わずに専用の器具で切り取る方法です。熱による組織の傷みがないため、切除後の出血や穿孔の危険が少なく、現在の標準的な方法となっています。痛みを感じる神経がないため、切除そのものに痛みはありません。 |
|---|---|
| 内視鏡的 粘膜切除術 |
やや大きい病変や平坦な病変では、粘膜の下に液体を注入して持ち上げ、輪状の器具をかけて切除します。必要に応じてクリップで傷口を閉じます。切除後は、出血に対する注意期間がやや長くなります。 |
| 大きな病変の 場合 |
大きさがある病変や、がんが疑われる病変では、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など入院を要する治療が必要になります。深く進んでいると判断される場合は外科手術の対象です。いずれも専門施設へご紹介し、治療後の経過は当院で分担できます。 |
| 血液をさらさらに する薬 |
切除後の出血に関わるため、薬の種類と、やめた場合の脳梗塞や心筋梗塞の危険を天秤にかけて判断します。近年は休薬せずに切除できる場合も増えています。自己判断での中止は避けてください。処方元の医師と相談のうえ、方針を決めます。 |
| 切除後の生活 | 出血は当日だけでなく、1週間ほど経ってから起こることもあります。この期間は、飲酒、激しい運動、長距離の移動、旅行を控えていただきます。食事は消化のよいものから戻します。具体的な期間と内容は、切除の方法に応じて書面でお渡しします。 |
| 次回の検査 | 取ったポリープの種類、大きさ、個数によって、次に受けるべき時期が変わります。おおむね1年後から3年後を目安とすることが多く、病理結果をご説明する際に具体的な時期をお伝えします。数が多かった方ほど、間隔を空けすぎないことが大切です。 |
「取ったから終わり」ではありません
ポリープができやすい体質は、切除しても変わりません。実際、一度切除した方では、その後も新たなポリープが見つかることが珍しくありません。だからこそ、切除後に決められた間隔で検査を受けることが、切除そのものと同じくらい重要になります。ところが実際には、切除を終えたところで安心してしまい、次の検査が何年も先送りになる方が多くおられます。当院では、病理結果とともに次回の時期をお伝えし、記録として残しています。
AI ASSIST
AIによる診断支援を導入し、見落としを減らします
検査の価値は、どれだけ見落とさなかったかで決まります。当院では消化器内視鏡専門医が時間をかけて観察することに加え、AIによる診断支援システムを併用しています。AIが映像をリアルタイムで解析し、平坦な病変や右側の鋸歯状病変など、人の目では捉えにくいものも含めて候補をその場で知らせます。さらに、見つかった病変が腫瘍性か非腫瘍性かの判断も検査中に支援するため、切除すべきものとそうでないものを見極めながら進められます。AIは医師の判断を置き換えるものではなく、もう一組の目として働きます。
SAME DAY
見つけたその場で、切除します
切除の対象となるポリープは、原則としてその検査の中で切除します。日を改める必要がなく、つらい下剤をもう一度飲む必要もありません。大きさや数によって入院での治療が望ましい場合には、その判断をその場でお伝えし、適切な施設へおつなぎします。
SEDATION
「つらかった」で終わらせない検査にします
一度つらい思いをすると、次の検査が遠のきます。当院では鎮静剤を用いた検査に対応し、送気の方法や挿入の技術を含めて、負担の少ない検査を心がけています。下剤が苦手な方には飲み方の工夫もご提案します。次も受けようと思える検査であることが、長い目で見て最も重要だと考えています。
FOLLOW-UP
次回の時期まで決めて、記録に残します
切除後の検査間隔は、取ったポリープの内容によって変わります。当院では病理結果のご説明の際に、次にいつ受けるべきかを具体的にお伝えし、記録として残します。「そろそろかもしれない」という曖昧な状態で何年も過ぎることを防ぎたいと考えています。
まずは診察でご相談ください
便通の状態や便潜血の結果、これまでの検査歴、ご家族の状況をうかがいます。健診結果、お薬手帳、過去の大腸内視鏡の記録をお持ちいただくと判断がしやすくなります。血液をさらさらにする薬を飲んでいる方は、この時点で方針を確認します。
検査の予約と、準備のご説明
検査日を決め、前日の食事と当日の下剤の飲み方をご説明します。必要に応じて事前の血液検査を行います。鎮静剤の使用を希望される場合は、当日のお車の運転を控えていただくことになりますので、あわせてご確認ください。
大腸内視鏡と、その場での切除
腸の中を丁寧に観察し、切除の対象となるポリープがあれば同じ機会に切除します。検査後はお休みいただき、体調を確認してからお帰りいただきます。切除を行った場合は、その後の生活の注意を書面でお渡しします。
結果のご説明と、次回の計画
1〜2週間後に病理の結果をご説明します。ポリープの種類と、次に検査を受けるべき時期をお伝えします。がんが含まれていた場合や追加の治療が必要な場合には、専門施設と連携して速やかに対応します。
次の症状があるときは、様子を見ずにご連絡ください
出血は当日だけでなく、1週間ほど経ってから起こることもあります。冷や汗を伴う、意識がもうろうとする、大量に出血しているといった場合は、ためらわず救急要請をしてください。判断に迷う程度の出血であっても、まずはご連絡いただければ、対応の必要性を判断します。診療時間外の連絡方法についても、切除後にご案内します。
痔があっても、それが陽性の原因とは限りません。痔は多くの方が持っているため、痔とポリープや大腸がんが同時に存在することは普通に起こります。陽性となった方の一定数に、ポリープや早期のがんが見つかります。症状がなくても、一度は大腸内視鏡を受けていただくことをおすすめします。
すべてを取るわけではありません。直腸やS状結腸にできる小さな過形成性ポリープなど、がんとは関係のない種類と判断できるものは、切除せずに経過を見ます。一方、腺腫や鋸歯状病変は切除の対象です。当院では拡大観察に加えてAIによる診断支援を併用し、腫瘍性か非腫瘍性かをその場で見極めたうえで判断します。取る必要のないものにまで処置を加えずに済みます。
診断するのは医師です。AIは、検査中の映像をリアルタイムで解析し、病変の可能性がある部分を知らせる補助として働きます。人の目は集中力や見る角度に左右されますが、AIは同じ精度で見続けられます。逆にAIも万能ではなく、拾いすぎたり見落としたりすることがあります。両方を組み合わせることで、どちらか一方より確かな検査になると考えています。
大腸の粘膜には痛みを感じる神経がないため、切除そのものに痛みはありません。小さなポリープであれば日帰りで対応でき、検査と同じ日に済ませられます。大きさや数、位置によっては入院での治療が望ましい場合があり、その際は適切な施設へご紹介します。
最も大切なのは出血への注意です。当日だけでなく1週間ほど経ってから起こることもあるため、その期間は飲酒、激しい運動、長距離の移動や旅行を控えていただきます。食事は消化のよいものから戻します。具体的な期間は切除の方法によって異なりますので、書面でお渡しします。
多くの場合、対応可能です。薬の種類や、やめた場合の脳梗塞・心筋梗塞の危険を考えて方針を決めます。近年は休薬せずに切除できる場合も増えました。ただし自己判断での中止は絶対に避けてください。処方元の医師とも相談しながら決めますので、検査前の診察でお申し出ください。
取ったポリープの種類、大きさ、個数によって変わります。おおむね1年後から3年後を目安とすることが多く、数が多かった方や大きかった方ほど間隔を短くします。ポリープができやすい体質は切除しても変わりませんので、次の検査が最も重要です。病理結果とあわせて具体的な時期をお伝えします。
検査そのものより下剤が心配という方は多くおられます。現在は複数の種類があり、飲む量や味の異なるものから選べる場合があります。分けて飲む方法や、飲み方の工夫でずいぶん楽になります。過去につらい思いをされた方は、そのときの状況を教えていただければ、別の方法をご提案します。
症状がない方では40歳代からの受診を一つの目安としています。ご家族に大腸がんの方がいる場合は、より早い時期からの受診をおすすめします。また、血便や便通の変化がある場合は、年齢にかかわらず検査を検討します。ご自身の状況に合わせた時期を、診察の際にご相談ください。
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