腸内細菌シリーズ 総まとめ——ビフィズス菌・酪酸菌・乳酸菌・糖化菌・耐性乳酸菌製剤|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

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腸内細菌シリーズ 総まとめ——ビフィズス菌・酪酸菌・乳酸菌・糖化菌・耐性乳酸菌製剤

腸内細菌シリーズ 総まとめ——ビフィズス菌・酪酸菌・乳酸菌・糖化菌・耐性乳酸菌製剤|千里丘かがやきクリニック|吹田市長野東の内科・消化器内科

2026年9月25日

腸内細菌シリーズ 総まとめ——ビフィズス菌・酪酸菌・乳酸菌・糖化菌・耐性乳酸菌製剤

Gut Bacteria

腸内細菌シリーズ 総まとめ

執筆:千里丘かがやきクリニック 院長 有光 潤介/公開日:2026年9月25日

ビフィズス菌、酪酸菌、乳酸菌、糖化菌、耐性乳酸菌製剤。整腸剤の成分表やヨーグルトの表示で見かける名前を、一つずつ取り上げてきました。

ここでは5本の内容を一枚にまとめます。どれから読めばよいか迷う方は、この記事から入ってください。

Point

この記事のポイント

  1. 五つの名前は、どれも菌の働きによる呼び名で、分類名ではありません
  2. 効果は菌株ごとに異なり、食べた菌は基本的に腸に定着しません
  3. 菌を足すことと、餌になる食物繊維を増やすことは別の話です

Series

腸内細菌シリーズ(全5回+総まとめ)

  1. ビフィズス菌とは何か乳酸菌との違い、酢酸の働き、加齢による減少
  2. 酪酸菌とは何か大腸の細胞を養う酪酸、整腸剤の酪酸菌との違い
  3. 乳酸菌とは何か2020年の分類再編、効く場面と効かない場面
  4. 糖化菌とは何か枯草菌と納豆菌、ほかの菌を助ける役割
  5. 耐性乳酸菌製剤とは何か抗菌薬と併用する整腸剤の仕組みと限界
  6. 総まとめ:5つの菌をどう考えるか(この記事)シリーズの要点と早見表

参考文献

  1. Role of anaerobic bacteria in the metabolic welfare of the colonic mucosa in man著者:Roediger WEW雑誌:Gut. 1980;21(9):793-798発行日:1980年9月DOI:10.1136/gut.21.9.793要約:ヒトの手術検体から分離した大腸上皮細胞を用いた研究。酪酸が単独の基質のとき、酸素消費の73〜75%を酪酸が占め、大腸粘膜の主要なエネルギー源であることを示した。
  2. A taxonomic note on the genus Lactobacillus: Description of 23 novel genera, emended description of the genus Lactobacillus Beijerinck 1901, and union of Lactobacillaceae and Leuconostocaceae著者:Zheng J, Wittouck S, Salvetti E, ほか(最終著者 Lebeer S)雑誌:Int J Syst Evol Microbiol. 2020;70(4):2782-2858発行日:2020年4月DOI:10.1099/ijsem.0.004107要約:全ゲノム解析にもとづく再分類の報告。261種を含んでいたラクトバチルス属を、生態や代謝的な性質を共有する25の属に分けることを提案した。現在の菌名表記の根拠となっている。
  3. Lactobacillus rhamnosus GG versus Placebo for Acute Gastroenteritis in Children著者:Schnadower D, Tarr PI, Casper TC, ほか(最終著者 Freedman SB)雑誌:N Engl J Med. 2018;379(21):2002-2014発行日:2018年11月22日DOI:10.1056/NEJMoa1802598要約:米国の小児971人を対象とした多施設二重盲検試験。急性胃腸炎にラクトバチルス・ラムノサスGGを5日間投与したが、症状の重症度や下痢・嘔吐の持続時間はプラセボと変わらなかった。
  4. ビオフェルミンR散・ビオフェルミンR錠 添付文書およびインタビューフォーム著者:ビオフェルミン製薬株式会社媒体:医薬品インタビューフォーム(日本医薬情報センター収載)発行年:2026年7月改訂(第19版)URL:https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00008087.pdf要約:主成分は各種抗菌剤への耐性を付与した乳酸菌で、1973年に承認。耐性伝達がプラスミド性でないこと、適応となる抗菌薬の範囲、腸内菌叢を指標とした臨床成績を記載している。
  5. Personalized Gut Mucosal Colonization Resistance to Empiric Probiotics Is Associated with Unique Host and Microbiome Features著者:Zmora N, Zilberman-Schapira G, Suez J, ほか(最終著者 Elinav E)雑誌:Cell. 2018;174(6):1388-1405.e21発行日:2018年9月6日DOI:10.1016/j.cell.2018.08.041要約:11株のプロバイオティクスを投与し、内視鏡で腸粘膜を直接採取して評価した研究。定着の程度は人・部位・菌株ごとに大きく異なり、便の検査からは粘膜の状態を判別できなかった。
  6. Expert consensus document. The International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics consensus statement on the scope and appropriate use of the term probiotic著者:Hill C, Guarner F, Reid G, ほか(最終著者 Sanders ME)雑誌:Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2014;11(8):506-514発行日:2014年8月DOI:10.1038/nrgastro.2014.66要約:国際学会による合意文書。プロバイオティクスを「十分な量を摂取したときに宿主に健康上の利益をもたらす生きた微生物」とするFAO/WHOの定義を再確認し、用語の適切な使い方を整理した。
  7. Expert consensus document: The International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics (ISAPP) consensus statement on the definition and scope of prebiotics著者:Gibson GR, Hutkins R, Sanders ME, ほか(最終著者 Reid G)雑誌:Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2017;14(8):491-502発行日:2017年8月DOI:10.1038/nrgastro.2017.75要約:国際学会による合意文書。プレバイオティクスを「宿主の微生物に選択的に利用され、健康上の利益をもたらす基質」と定義し直し、適用範囲と実証の要件を示した。
  8. The International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics (ISAPP) consensus statement on fermented foods著者:Marco ML, Sanders ME, Gänzle M, ほか(最終著者 Hutkins R)雑誌:Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2021;18(3):196-208発行日:2021年3月DOI:10.1038/s41575-020-00390-5要約:国際学会による合意文書。発酵食品の定義を定めるとともに、発酵食品をプロバイオティクスと呼べるのは菌株が特定され健康上の利益が実証されている場合に限ると明記した。

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